負債抵抗力

経営状況分析(Y)の中で負債抵抗力というものがあります。

これは、負債が多すぎないかまたはそれに伴う支払利息が多くなっていないかを評価する項目となります。

そのための指標として、①純支払利息比率と②負債回転期間があります。

経営状況分析(Y)に与える影響は、この2つのみで、41.3%となっていますのでかなり大きくなっています。負債や支払利息を減少させることはとても大きな意味を持ちます。

① 純支払利息比率

売上高に対して、実質的な利息の負担額(支払利息-受取利息配当金)がどれだけあるか。

② 負債回転期間

負債の合計額が平均月商の何ヵ月分になっているか。もちろんこの期間が短い方が負債に頼っていないということで評点は高くなります。

収益性・効率性

経営状況分析(Y)の中で収益性・効率性を判断する指標があります。

これは投下した資本をどれだけ効率よく運用し利益を上げているか、また、どれだけ効率良く売上高から利益を上げているか等の財政、損益それぞれの側面から利益率を判断するものになります。

①総資本売上総利益率

総資本どれだけ効率よく運用して利益を上げているかという指標です。

②売上高経常利益率

売上高に占める経常利益の割合で収益性をはかる指標です。

財務健全性

経営状況分析(Y)の中で、財務健全性を判断する指標があります。

1つ目は、自己資本対固定資産比率、2つ目は、自己資本比率です。

① 自己資本対固定資産比率

これは、土地・建物や設備などの固定資産を取得する場合に、どの程度自己資本で賄われているかを判断する指標になります。固定資産を自己資本で調達することができれば、借入金等を返済することがないので、資金繰りを圧迫せず、財政上は健全性が高いと言えます。

② 自己資本比率

これは、総資本の中で、自己資本がどの程度の割合であるかを示す指標となります。自己資本比率が高ければ、資金の調達手段が健全であると言えます。また自己資本が多ければ、その分借入金の返済等が必要ありませんので、資金繰りも楽になります。

上記2つの指標は経営状況分析(Y)の中で、財務健全性を判断するために使われますが、自己資本を充実させることは、X2の自己資本の評点をアップさせることにもつながります。

絶対的力量

経営状況分析(Y)の中で絶対的力量を評価する部分があります。

そのための指標として、①営業キャッシュフローと②利益剰余金があります。

①営業キャッシュフロー

これは、現金・現金同等物がどの程度増減したかを判断することになります。キャッシュフローは営業活動、投資活動、財務活動とありますが、経営事項審査においては、営業活動により生じたキャッシュを評価します。内容としては、経常利益、減価償却額、売掛債権、棚卸資産等の増減額を見ます。

②利益剰余金

これは、企業が営業することにより蓄積してきた利益を評価するものです。

①も②も、数値が高い方が評価は高くなりますが、一億円に対する絶対評価となりますので、小規模な企業にとっては点数は伸びにくい部分となります。